打ち直しか買い替えかどっち?羽毛布団のプロが徹底解説!
【更新日】 2024年8月23日(金) 羽毛布団
「羽毛布団は、打ち直し(リフォーム)できますか?」
「今持っている羽毛布団は打ち直すべきですか?買い替えるべきですか?」


このようなお問い合わせを、たくさんの方からいただきます。
値段は高かったものの、新しく買うべきか、リフォームすべきか…なかなか分かりませんよね?

答えとしては、どんなものでもリフォームできるという訳ではありません
また、打ち直しすべきか買い替えるべきかは、羽毛布団によって1枚ずつ異なります

そこで、年間1,000枚以上羽毛布団を診断する当店が、リフォームすべきか買い替えるべきかをご説明いたします!

 
この記事でわかること
● リフォームできるもの、できないものの違いは?
● 買い替えた方がオススメの羽毛布団
● 羽毛に傷みが多い場合と再生できる場合の仕上がりの比較

リフォームをお悩みの方に、ご参考いただければ幸いです。

リフォーム不可の羽毛とは?

まず、リフォーム自体ができない羽毛布団があります。
当店ではリフォームができるかどうかについて、次の基準を独自に設けています。
 
  • リフォーム可能な羽毛‥ダウン80%以上(フェザー20%以下)のもの
  • リフォーム不可の羽毛‥ダウン80%未満(フェザー21%以上)のもの
(つまり、ダウン50%やダウン70%などダウン率の低い羽毛はリフォーム対象外です)

この基準は、羽毛布団のサイドに付いているタグや品質表示ラベルを確認することで判断できます。



このラベルの羽毛布団の場合、ダウン95%でダウン80%以上ですので、リフォームできます。

このように、まずはラベルやタグを確認してダウン率がダウン80%以上かどうかによってリフォームの可否が変わります。

 

ダウン率とは?

羽毛には「ダウン」と「フェザー」の2種類が含まれています。

ダウン(タンポポの綿毛のようにフワッとしたもの)



フェザー(いわゆる「羽根」)




ダウン率とは、これらの割合を示したものです。

ダウンの割合が高いほど、羽毛のボリュームが大きくなり、保温性が高くなります。

次の写真は、ダウン50%(フェザー50%)とダウン90%(フェザー10%)の1.0gの羽毛を比較した写真です。

ダウン50%の羽毛 1.0g



黄色の丸で囲ったように、全体にフェザー(羽根)が見られます

次に、ダウン90%の羽毛を見てみましょう。

ダウン90%の羽毛 1.0g



ダウン90%の方は一目でフェザーが確認できないほど、ほとんどがダウンの状態です。
また、黒色の背景から分かるように、ダウン90%の方が隙間が少ない(ボリュームが多い)ことも分かります。

次に、10gの羽毛を比較してみます。



フェザーの割合が高いほど膨らむ力が弱く、同じ10gでもかさの高さが全く異なります。

 

ダウン率の低い羽毛布団は、買い替えをオススメする3つの理由

ダウン率が低い羽毛布団の場合に買い替えをオススメする理由は、大きく分けて次の3つです。

①フェザーは再生できない
フェザーはダウンと異なり、洗浄しても再生が難しく、リフォームには適しません。

②フェザーが多いと傷みやすい
フェザーの割合が高いと、使用年数とともにダウンと絡まりやすく、毛玉状になりやすくなります。



この毛玉は、リフォームで洗浄してほとんども解れず再生できません。
また、羽毛布団の保温性が低下する大きな要因となります。

経験上、15年以上使用すると、ほとんどの羽毛がこの毛玉の状態になっています。

③新品よりもリフォーム金額の方が高い
ダウン50%や70%などダウン率の低い羽毛布団は新品の値段が安く、新品よりもリフォーム金額の方が高くなるケースがほとんどです。

つまり、再生できず、傷みやすく、新品よりもリフォームの金額が高い

以上の3つの理由により、ダウン80%未満の場合はリフォームできず、よほど想い入れのある羽毛布団は別として、基本的には新品への買い替えをオススメしています。

 

ダウン80%以上の場合、羽毛の傷みによりリフォームか買い替えが決まる

ダウン80%以上の場合は、どのような羽毛布団でもリフォームは可能です。

ただ、長年の使用により羽毛がとても傷んでいると、リフォームしても再生できません。

そのため、羽毛の傷み具合によってリフォームをオススメするか新品への買い替えをオススメするかが変わります


それでは、実際に傷みすぎて再生できない羽毛と再生できる羽毛を比較しながらご説明いたします。

なお、次の動画でオススメできる/できない羽毛のリフォームした状態を比較しています。
もし宜しければ、こちらもご参考いただければ幸いです。
 


こちらは、お客様から届いた20年使用の冬用の羽毛布団です。



マス目に膨らみが無く、全体的にとてもヘタってしまっています。



四つ折りにしても、15cm未満の厚みです。

ちなみに、当店の新品の冬用を測ってみると、40cm程度の厚みがありました。



全体の状態も比べてみます。




新品の方は1つ1つのマスがしっかり膨らんでいますが、20年使用の方は膨らみがありません。

それでは、中の羽毛の状態を確認したいと思います。

まず、羽毛布団の縫製部分を10cm程度解いて、中から羽毛を取り出します。



 

20年使用した2枚の羽毛布団の傷みの違い

この20年使用の羽毛布団と、別のお客様で同じく20年使用の2枚の羽毛布団から、それぞれ1gずつ羽毛を取り出しました。

左:再生できる羽毛 右:生できない羽毛



同じ20年使用でも、落下速度や1gのボリュームが全然違います。

再生できない羽毛



千切れてボロボロの状態になり、汗や脂によって黄ばむほど傷んでしまっています。

再生できる羽毛



千切れたり傷んだ羽毛は見られるものの、まだ羽毛の形状が残っています。

 

洗浄後の羽毛の比較

この2つの羽毛を、実際に業界最高水準の「プレミアムダウンウォッシュ加工」で洗浄いたしました。

左:再生できる羽毛(洗浄後) 右:生できない羽毛(洗浄後)



再生できる羽毛はボリュームが復活していますが、再生できない羽毛は膨らむ力が弱く、同じ1gでもボリュームがありません。

再生できない羽毛(洗浄後)



多少丸まって閉じた羽毛が開いていますが、ほとんどの羽毛が再生できておりません。

再生できる羽毛(洗浄後)



一方、再生できる羽毛はダウンが花開くようにフワッとした状態に戻り、復活しています。

 

冬用に仕上げた羽毛布団のボリュームの比較

次に、こちらの羽毛を同じ生地に1.3kgずつ入れて、冬用の羽毛布団に仕上げて比較しました。

再生できない羽毛で仕上げた羽毛布団



羽毛の膨らむ力が再生できていないため、1.3kg入りでも四つ折りで厚みが30cmもありません。

再生できる羽毛で仕上げた羽毛布団



一方、再生できる羽毛は同じ1.3kg入りでも厚みが40cmを超えるほどに復活し、新品同様に仕上がっています。



広げて膨らみを比較しても、全然違います。

このように、羽毛の傷み具合によって再生できるかどうかが大きく変わります。

 

どんなに古くても、羽毛が再生できれば新品同様に復活!!



ここで紹介したように、リフォームすべきか買い替えるべきかは羽毛の傷み次第です。

20年や30年以上使用しても、既に1度や2度リフォームした羽毛布団でも、タグやラベルが消えてしまっていても関係ありません。

大切なのは、羽毛が再生できる状態かどうかです。

・再生できる羽毛は、新しい生地に入れて仕上げることで、10年程度改めて快適にお使いいただけます。
・再生できない羽毛は、すぐにヘタってしまうため、快適にお使いいただけません。

すべては、羽毛の傷み次第です。

 

まとめ

今回の記事について、簡単にまとめてみました。
 
  • 羽毛のダウン率によってリフォームできるかどうかが決まる
  • ダウン80%未満なら、買い替えた方がオススメ!
  • ダウン80%以上なら、羽毛の傷み次第
もしお持ちの羽毛布団が再生できる状態かどうかご不明な場合は、以下サービスをご利用ください。

 

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以上、今回は古い羽毛布団をリフォームすべきか買い替えるべきかについてご説明いたしました。

もし何かご不明な点等ございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

私たちが、皆様をお待ちしております!